ちょっと政治の話
バヌアツは、独立してから39年の比較的若い国。
独立前、イギリスとフランスが共同統治していた影響で、
英系と仏系の政党が争っていて、なかなか政治が安定してこなかったみたい。
コロコロと首相が代わってきた。
簡単にどんな政治か見てみると、
共和制
(多く国がこの共和制。国王や天皇がいなくて、国民がリーダーを決める国。日本は、天皇がいる国だから、君主制。)
議会一院制
(日本の国会が衆議院、参議院のように2つに分かれているのに対して、バヌアツでは、1つの議院で法律を決めてる。)
ちなみに、議員数を日本と比べると、
バヌアツ52人(任期4年)
国家元首(国を代表するリーダー)に大統領がいて、
政府には、首相と1人の大臣(外務・国際協力・貿易大臣)がいる。
なんで政治の話をしているかというと、
バヌアツで、3月18日に国会選挙が行われるから。
ちょうど今日1月22日が、今の議会の最終日になるみたい。
この影響で、
こないだ、エキペ村で選挙イベントが行われた。
どうやら、
エキペ村の一族の中から国会議員に立候補する人がいるらしい。
(住んでるのは違う村みたいだけど。)
日本の選挙運動には細かな取り決めがたくさんあって、
(例えば、家を訪問したり、飲食物を提供すること等は禁止されてる。)
できることは、「ポスター」「選挙カーで演説」「インターネット選挙運動」。
バヌアツには、こういう取り決めがないのかもしれない。
と思うほど、この選挙イベントは、
ものすごい規模だった。
(友達は、「50万バツ使ってるんだよ!1000人集まるんだぜ!」と言ってた。本当かは分からないけど。)
まず、前日からエキペの村人全員で、
掃除をしたり、飾り付けをしたり、
竹を切ってきて小屋を建てたり、
牛を2頭さばいたり、ご飯を作ったりと準備。
当日は、
オープニングマーチ(参加者全員で会場まで行進。)
それぞれの村の旗を手に持って。
先頭には、カスタムダンス(伝統的なダンス)の集団。
来賓の紹介とスピーチをして、
(おしゃべり好きなバヌアツ人は、スピーチの時間もびっくりするくらい長い。)
ケーキカットとカバで乾杯したら、みんなでランチ。
そこから夜12時まで、
ひたすらカバを飲み、ビールやワインを飲み、音楽を聞き、踊りまくり、
夜中になってミュージシャンが帰っても、
スピーカーで音楽を流し続け、踊り続け、
明け方までワインを飲んでる人もいる。
いつものバヌアツのイベントの感じ。
本当に盛大な選挙運動だった。
さて、
この立候補者は、トガリキ島出身のボクらの村の親族らしい。
ボクの暮らすエキペ村(☆印)を始め、隣のエパオ村やエプレ村など、
この島の東部の村の人たち(赤丸の中の村々)は、
つまり、
この東部の村々の人たちはみんな、出身が同じ。
控えめに言っても、みんなどこかしらで血の繋がりがある。
大げさに言うと、もうみんな家族。
話を聞いていてビックリしたんだけれど、
2016年に行われた前回の選挙の結果、
自分たち東部の村にとっては、
あまり良い影響がなかったと思ったトガリキ島出身の人々。
それなら!と、
自分たちの親族の中から立候補者を選び、
ふるさとが同じ村の人たちで協力し合って、
議員52席の内の1つを勝ち取って、
自分たちの生活にもっと良い影響が出るようにしようと考えたらしい。
エキペ村では、
パパ達だけじゃなくて、若者も選挙の話をよくしているし、
何より、
国の政治を変えるために、
自分たちの仲間から選挙に立候補する人を出す。
こう考えられる村の人たちがすごい。
この国では、こんな田舎の村でも、
「自分が政治に参加している意識」がすごい高い。
これが、
人口が少なくてコンパクトな国だからなのか、
コミュニティー間の繋がりが強いからなのか、
独立してから間もない国だからなのか、分からないけれど、
政治に対する
「若々しい感覚とか前向きなパワー」を感じる。
18歳から投票することができるようになった日本。
投票率が一番低いのは、ボクら20代らしい。
「みんなで話し合って国のルールを決める」のが政治。
国民全員で話し合うわけにいかないから、
代表者に頼んで、ボクらの代わりに話し合いをしてもらう。
「どの政治家に力を分け与えるか」を選ぶのが選挙。
選挙は、誰かを選ぶだけじゃなくて、誰かを選ばないことでもある。
当たり前だけど、
政治家は、投票率の高い層に支持してもらえるように活動する。
ボクら若者、
もっと政治について考えなくちゃね。