ファンドレイジングという相互補助の仕組み
バヌアツでは、
ファンドレイジングが盛んに行われてる。
英語の「Fundraising」は、
「資金調達」という意味で、
主に「NPOが活動する上で必要となる資金を集めること」として使うらしい。
バヌアツのファンドレイジングは、
村のコミュニティのお金を集めるため、
学校の運営資金を集めるため、
教会の建て替えのためのお金を集めるため、
うちの子の通学費を払うため、
など、様々な規模で行われている。
実際には、
お父さんたちが魚を獲ってきたり、
お母さんたちが伝統料理を作ってきたりして、
食べ物を売り、お金を集める、
バザーみたいな感じ。
一食の値段は、
けれど、村人みんなから集めたらけっこうな値段になる。
面白いなと感じたのは、
各家庭ごと順番に、定期的にファンドレイジングを行ってるところ。
村人が集まるナカマルという集会場とか、
道路沿いにあるロードマーケットで、
定期的に「○○さんのためのファンドレイジング」
が開催されてる。
これは、村の一軒ごと順番に行っているらしい。
エキペ村には、
片親で4人の子どもを育ててるお母さんもいれば、
お父さんとお兄ちゃん2人でニュージーランドに出稼ぎに出てるお金持ち家庭もある。
首都ほどじゃないけど、
お金がある家とそうじゃない家の差は、
確かにある。
だから、ファンドレイジングを行うらしい。
各家庭から少しずつお金を集めて、集まったお金は全てその家庭のものになる。
そうやって、生活が苦しい家庭を減らす。
村人にとって、ファンドレイジングとは、
「お互いの生活を助け合う」ためのもの。
村人は、自分も助けてもらってるし、
一人一人が払うお金はそんなに高くないから積極的に参加する。
一人一人がちょっとの負担をすることで、
誰か1人が苦しい思いをしないようにしてる。
暮らしを支え合ってることが、
コミュニティの一員という意識を強くして、
各家庭の繋がりも濃くすることに繋がってるのかもしれない。
バヌアツ人のお金の使い方は、
お世辞にも上手とは言えない。
出稼ぎから帰ってきたお父さんが、
子どもの養育費のことを考えないで、
タバコやお酒にどんどんお金を使って、
お母さんが苦労してる家庭もある。
けれど、
このファンドレイジングの仕組みは、すごいなと思う。
今日は、ボクの家族の弟2人のファンドレイジング。
彼らの通学費がしっかり集まりますように。