自分の手ですること。
水がなくて学校が開けない2週間、
エキペ村の人たちは、
ただぼんやりしてたわけでも、
水を求めて雨を待ってただけでもない。
このままだと、
水が止まるたびに休校にしなきゃいけないから、
(実際、去年そうだった。)
何とかしようとみんなで話し合って動き出した。
川から引いてくる水道は、天候に影響されちゃう。
エキペ村は海が近いし、地面を掘ればすぐ水が出てくるんじゃないか。
地下から水を引き上げる仕組み、前に他の村で見たぞ。
じゃあ、場所は広いココナッツ畑がいいな。
よし!始めよう!
大体、こんな感じの話し合い。
次の日には、作業が始まった。
集まって働くのは、村のボーイズたち。
ボクと同い年くらいの友達たちからパパたちまで、
大勢の男手が集まって、毎日作業。
計画的にコツコツ作業するのが苦手なバヌアツ人は、
動き始めるとものすごく速くてパワフル。
1週間も経たないうちに、こんな感じ。
もう少しで完成。
ボクらは普段、お金でサービスを買っている。
マイホームが欲しい時は設計事務所に相談、建てるのは大工さん、
水道が壊れたら、業者に電話をかけて、
食べ物はスーパーや農協に買いに出かけて、
家具や生活道具が壊れたら、買い替える。
これらは、一生懸命技術を身に付けて、
サービスを提供してくれる人たちがいるから成り立ってる。
技術を持った人たちがいるからこそ、
ボクらはサービスを受けることができる。
バヌアツ人は、多くを自分の手でする。
自分たちで家を建てる。
自分たちで牛を育て、
動物を食べる時には自分たちでさばく。
自分たちで魚を獲ってくるし、野菜も育てる。
農作業道具が壊れたら、自分たちで直す。
自分の手ですると、
自分でできることが増える。
能力が身に付く。
自分でできることが増えると、
誰かにしてあげられることが増える。
それをサービスとして提供することもできるかも。
エキペ村の人たちと暮らしてると、
ボクは、ちょっと頑張れば自分でできるはずなのに、
自分の手でしてないことが多くあるような気がしてくる。
ちなみに、
びっくりしたけど、彼らは学校の校舎まで作れる。
これが建設会社が作った校舎。
こっちが村人が作った校舎。
(この夏休みには、痛んだ校舎の修理をしてた村のパパたち。)
バヌアツ人の生きる力の力強さに驚かされる毎日。