ぼくの行く道

青年海外協力隊2019年度1次隊(小学校教育)バヌアツ

コロナ禍のバヌアツ①

ボクは3月21日(土)まで、バヌアツにいた。

 

その時点までのバヌアツの様子を、思い出せる限りで書いてみようかなと思う。

(※2020/6/11現在で、バヌアツでのCOVID-19感染者は0人らしい。)

 

 

中国の武漢新型コロナウイルスが確認され、世界中に広まっていく中で、

オーストラリア、ニュージーランドでの感染例が増えていくにつれて、

バヌアツでのコロナウイルスに関する話題も増えていったように思う。

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(島国であるバヌアツでは、普段からお隣のオーストラリアとニュージーランドの影響が大きい。

ほとんどみんなが、ニュージーランドラグビーオールブラックスのファンだし。)

 

2月3日には、

バヌアツ政府の”新型コロナウイルス対策本部”がいくつかの対策を立てるという連絡があった。

・バヌアツに入国する人は全員、健康申告書を提出する。

(過去14日間の滞在先や健康状態など)

・バヌアツ国際空港では、コロナウイルスの症状があるかどうか検査が行われる。

・バヌアツへの入国後14日間は、体調を監視される。

 

その後、

2月9日、2月14日、2月28日とバヌアツ政府から発表があって、

初めは、中国への渡航歴のある人だけの入国禁止だった対策が、

台湾、香港、マカオ、さらに、韓国、シンガポールと、

入国禁止にする国を次々に増やしていき、対策を強くしていった。

(2月28日の発表では、過去14日間のうち日本に滞在した人の入国も禁止になった。)

 

 

このくらいの頃には、まだ、

エキペ村の友達たちの様子は普段と変わらずのんびりとしてて、

他の国では、コロナウイルスが大変らしいよ。くらいの感じだった。

 

そもそも、村人が手に入る情報は、ほとんどがFacebookからで、

コロナウイルスは、中国が作った細菌兵器だって本当?」

って真剣に聞いてくる友達がたくさんいるくらい。

 

その後、2月末に、

ボク自身がデング熱という病気にかかってしまって、

 

首都のポートビラで1週間の療養、

オーストラリアのシドニーで1週間ちょっとの治療、

バヌアツに戻ってきてから2週間の自主隔離

シドニーではコロナウイルスが流行ってきていたから。)

 

と、エキペ村に帰れなくなってしまったので、

この後の村人の様子はよく分からない。

 

ただ、その間も、

バヌアツ政府の対策は強化されていって、

バヌアツへの入国禁止になる国は、中東や欧米、アメリカ、カナダなど、どんどん増えていった。

(ボクが滞在してたオーストラリアでも感染者が増えていて、

ちょうど俳優のトムハンクスが感染したことが話題になってた。)

 

ちなみに、3月13日にシドニーからバヌアツに戻ってきた時の空港の様子がこれ。

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飛行機内で長い間待機した後、並んだ列で体温を測り、担当の人と問診する。

 

ボクがシドニーからバヌアツに戻ってからも、

目まぐるしく状況が変わっていって、

オーストラリアやニュージーランド政府が、

外国人の入国禁止、

トランジットも受け入れないと発表したり、

バヌアツの国境閉鎖発表が出たりして、

ボクらJICA隊員も日本に避難できなくなる可能性が出てきて、

状況は、ますます慌ただしくなっていく。

 

この頃、バヌアツで初めて、

新型コロナウイルスへの感染が疑われる人が出た。

(バヌアツ国内では検査できないから、検体をオーストラリアに送って、

結果が返ってくるまでにはさらに数日が必要らしい。)

 

その後、この人の結果は陰性で、感染はしてないことが分かったんだけれど、

新型コロナウイルスへの不安や恐怖は、

閉ざされた小さな島国ということもあるのか、あっという間に広がったみたい。

 

世界中にいる同期の中には、

アジア人だからという理由で現地の人に攻撃された人もいると聞いていたけど、

バヌアツではないかなと思っていたから、

ボク自身も首都ポートビラで心無い言葉を受けて、ちょっとビックリした。

 

 

3月21日には、ボクらJICA隊員は、バヌアツを出国したんだけれど、

その後、3月26日には、バヌアツで非常事態宣言が出されたらしい。

・5人以上が集まる社会的集会の禁止

・夜7時30分以降の全ての経済活動の制限

・夜9時以降の公共交通機関の営業禁止

などなど。

 

さらに、3月31日には、

夜9時以降の外出禁止まで。

 

感染者0人の中。

 

 

各国からの入国制限から、段階的な対策強化、

外出制限を含む非常事態宣言まで、

 

どうしてこんなに素早くて強い対応ができるんだろうと考えると、

 

・政府機関がコンパクトで素早くて柔軟な対応がしやすかったり、

・同じ島国であるオーストラリアやニュージーランドの対応を参考にしやすかったり、

・普段からWHOの支援を受けているから、こういう緊急事態にも正しい支援を受け入れやすかったり、

などなど、

いろんな要因があるんだろうけれど、

 

食べ物や飲み物をシェアすることが当たり前で、

握手する文化を大事にしていて、

長時間のおしゃべりが大好きなバヌアツの人たちが、

 

今回のこのウイルスから守られていることに心からホッとしてる。

(今の時点では。)