ぼくの行く道

青年海外協力隊2019年度1次隊(小学校教育)バヌアツ

(メモ)若さゆえ/谷川俊太郎

青年海外協力隊の派遣前訓練を

長野県駒ヶ根の山奥で受けてた時

 

自分の居室から英語のクラスに向かう通路に谷川俊太郎さんの詩が飾られてた。

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1995年、協力隊事業発足30周年の際に、谷川俊太郎さんが寄稿してくれたものらしい。

 

訓練中、初めて読んだ時、衝撃だった。

何でか分からないけれど、まだ活動が始まってもいなかったけれど、

まだ見ぬバヌアツの人々や自分の活動に思いを巡らせていたからかもしれないけれど、

すごくしっくりきた。

 

バヌアツに来て、バヌアツの人々に出会って、

毎日、1から99くらいまで生活の面倒を見てもらって、

学校が始まっても、まだ見させていただくだけの日々で、

改めて、この詩を読み返して、心がじんとする。

 

きっと1年8ヶ月後、活動を終えて日本に帰る時にも、

もっと違った気持ちで、この詩を読み返してると思う。

 

 

 

若さゆえ   谷川俊太郎

 

差し伸べられた細い手

助けようとしてきみは助けられる

その手に

求めてやまぬひたむきな心

教えようとしてきみは学ぶ

その心に

 

凍りついた山々の頂きを照らす朝日

重なり合う砂丘の柔らかい肩に昇る朝日

市場のざわめきをつらぬく朝日

それらは同じひとつの太陽

だからきみはふるさとにいる

そこでも

 

底なしの深い目がきみを見つめる

その目にあなたは読むだろう

太古からのもつれあう土地の物語

きみは何度も問いつめる

きみ自身を

地球のために

 

そして夜人々とともにきみは踊る

きみは歌う

今日を生きる歓びを

若さがきみの力

きみの希望

そして私たちみんなの

 

若さゆえありあまる君だから

目に見えるものを与えることは出来る

だが目に見えぬものは

ただ受け取るだけ

それが何よりも大切なみやげ

きみの明日