ぼくの行く道

青年海外協力隊2019年度1次隊(小学校教育)バヌアツ

100種類以上の言語がある国

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ある日、同僚の先生と話していたら、

「日本には、何種類の言語があるんだ?」

と聞かれ、

「日本語は1つの言語だけど、中国から来た漢字とひらがな、カタカナ、3種類の字を使って表すんだよ。」

と、カタコトで何とかかんとか説明。

「1つの言語なのに、3種類の字が入り混じって書き表すから難しい言語かも。」

と、言ってみると

「そんなことないさ。勉強しだいだよ。」

だそうです。

 

そうでした。

バヌアツ人の多くは、自分の地方言語とバヌアツの公用語であるビスラマ語に加えて、英語かフランス語を話せるんでした。

 

地方言語って何?となるかもしれないけれど、

日本には、1つの言語しかないところ、

バヌアツには、100種類以上の言語があるんです。

 

というのも、バヌアツの歴史と関係していて、

ちょこっと説明すると。

何千年も前に、バヌアツを始め、太平洋のたくさんある島々に移り住んできた人々がいます。

(台湾から来たんじゃないかって考えられてるみたい。)

バヌアツでも83個の島、それぞれに住み始めたのですが、

何しろずっと昔の話。

長い時間をかけて段々と、それぞれの島や村で話す言葉が変わってきました。

 

この、それぞれの地方の言葉は、日本の方言なんてものじゃなくて、

もうまるっきり違う言語。

他の地方の人とは、言葉が通じません。

そこで生まれたのが、「砂絵」

言葉が通じないから、砂に絵を描いてコミュニケーションをとってきたらしいです。

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(http://www.accu.or.jp/masterpiece/masterpiece.php?id=77&lg=jpより)

 

カスタムビレッジといって、文化体験のできるところに行った時、

ここのチーフも言ってたけど、

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今では、砂絵を書ける人は少なくなってしまったらしくて、

自分たちが代々、紡(つむ)いできた文化は大切にしなければいけない。

色々な人にもっと自分たちの文化を知ってほしい

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日本の「和食」と同じように、無形文化遺産になってるバヌアツの「砂絵」

次の世代へ残っていって欲しいですね。

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歴史の続き。

200年ちょっと前の18世紀末ごろ(日本は江戸時代の中ごろ)

ヨーロッパが植民地獲得に乗り出していて、

バヌアツには、まずイギリス人が来ました。

その後、フランスも負けじとやってきて、

イギリスとフランスが何度も衝突を繰り返した後、

100年くらい前に、2つの国で一緒に国を治めることになりました。

 

39年前にバヌアツは独立したけれど、そのころの影響は残っていて、

島によって英語を話す人とフランス語を話す人がいたり、

英語系の学校と、フランス語系の学校が分かれていたりします。

 

ところで、ビスラマ語は何かというと、バヌアツの公用語

元々、話す言語の違うバヌアツの人々。さらに、英語を話す人とフランス語を話す人が分かれました。

これでは、会話できません。

そこで生まれたのが、ビスラマ語。

英語とフランス語が混じり合って、変化して生まれた言葉。

 

例えば

 

日本語「私の名前は、一将です。」

英語「My name is Kazumasa.」

ビスラマ語「Nem blong mi Kazumasa」

(blong とは、英語の of の代わり)

 

英語と似ているの、何となく分かりますか?

首都にいた1ヶ月の研修うち、10日間は大学に通って

このビスラマ語を学んでいました。

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(バヌアツ唯一の大学のUSP)

 

バヌアツ人は、言語の力がとても豊かで、

このビスラマ語と英語と自分の地方言語を器用に使い分けます。

バヌアツ人同士の会話を聞いてると、ビスラマ語で話してたかと思いきや、いつの間にか英語に変わってたりします。

まるで、頭の中に自動のスイッチがあって、自然に切り替わるみたいに。

 

さて、ぼくはというと、

何とかかんとか、カタコト英語

何とかかんとか、カタコトビスラマ語

のところ、

村の人たちはしきりと村の言葉を教えてくれます。

 

常にみんなが、相手が、なんて言ってるか頭フル回転です。

毎日、英語とビスラマ語と村の言葉の勉強です。

 

ちなみに初めて教え込まれた村の言葉は自己紹介。

学校初日の全校集会で、話してみました。

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村の言葉「ケノ キャニオ ケ カズマサ、二ミナ ティン アトン ハーフ ジャパン」

 

(もはや、アルファベットのつづりなんて全く分かんない。)

何て言ってるか、何となく分かりますか?

 

日本語訳は(たぶんだけど。)

日本語「ぼくの名前は、一将です。半分日本人、半分トガリキ島(村人のふるさとの島)出身です。」

 

日本とトガリキのハーフみたいな感じかな?

これを言うと、みんな大笑いしてハイタッチしてくれます。

それから、村の言葉を使うと、やっぱりみんな喜んでくれます。

 

とにかく!

英語とビスラマ語と村の言葉、勉強頑張ります。

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