ぼくの行く道

青年海外協力隊2019年度1次隊(小学校教育)バヌアツ

「今、元気でいられる。」ことの凄さと難しさ

バヌアツで、「デング熱」という病気にかかった話。

 

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(写真は、バヌアツの村の幼稚園での手洗い場面(ボクのめいっ子))

 

 

2月末のある朝、

突然、39度の高熱が出た。

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その日はもう1学期が始まっていて、

ボクがする授業もあったんだけれど、とても立ち上がれなくて、休ませてもらった。

(休むこと、休憩すること、のんびりすること、だらだらすることが大好きなバヌアツの人は、

”休む”ことに関して、ビックリするくらい寛大。)

 

学校が終わると、いろんな先生が様子を見に来てくれて、励ましてくれた。

 

バヌアツにも様々な民間療法があって、

風邪の時には、こうすると治る!と村人が教えてくれた。

 

①沸騰させたお湯にレモンの葉っぱを浮かべて、そのお湯を抱き抱えながら毛布にくるまる。

(蒸気が良いらしい。)

 

②マンゴーをたくさん食べる。

 

③アイランドカカエ(伝統的な食べ物)をたくさん食べる。

 

④スプライト(緑色のパッケージの炭酸ジュースのあれ)をたくさん飲む。

 

⑤カバ(お酒のような伝統的な飲み物)を飲む。(笑)

 

⑥海に行き、海水を鼻から思いっきり吸い込む。(真面目に言ってた。)

 

他にもたくさん教えてくれた気がするけれど、熱でボーッとしてて覚えてない。

 

 

その日の夜には、校長先生が首都のポートビラまで車で送ってくれて、

JICAが用意している隊員用のドミトリーに泊まることにした。

(首都には、

様々な種類の新鮮な野菜、肉、魚、調味料、簡単に食べられるレトルトのもの、などなどが売っているスーパー、

病院、薬局、JICA隊員をサポートしてくれるJICAバヌアツ事務所があるから、避難しよう!という感じ。)

 

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(これは、隊員の仲間たちが作ってくれた泣くほど美味しいおかゆ。)

 

次の日の朝、病院に行ったら、

ストレスだと診断された。

(ほら、子どもって原因なく時々、高熱出すでしょう。

って説明だったと思う。え、子ども?)

 

それからはしばらく、

熱が下がらず、あまり食欲もなく、ただただ寝て過ごした。

 

5日くらい経って、まだ熱が下がらなかったから、

バヌアツ国立病院の救急を受診させてもらった。

(この病院はかなり大きくて、なんとバヌアツで唯一、レントゲンもあるらしい!使っているかは微妙らしいけれど。

国立病院の救急だけど、担当医はオーストラリアの医学生らしくて、

先進国の基準で考えると、機材も少なく、衛生的にも良くはない。)

 

血液検査をしてもらったところ、

(バヌアツ国内で血液検査はできないから、採った血液をオーストラリアに送って検査してもらうらしい。)

 

デング熱」にかかっているということが分かった。

 

デング熱とは、蚊によって運ばれるウイルスの感染症

赤道付近の温かい国でよくみられる病気だけど、

最近は、気候変動の影響で、北半球の様々な国でもみられるようになってきてるらしい。

 

日本でも、2014年、代々木公園を中心に160人くらいの人が感染したっていうのがニュースになってた。

www.nikkei.com

 

この病気には、治療するための薬はないらしい。

 

ただ、幸い、しっかり栄養をとって、安静にしていれば、自然に治る。

と医師から聞いて、その時はホッとしてしまった。

 

けど、もしかしたら、

若くて体力もあって、病院で点滴も受けられる「ボク」は、自然に治るってことなのかなと後から思った。

 

バヌアツの村の現状を考えると、

みんながみんな病院に行けるわけじゃない。

エキペ村でも、

(長年病気を抱えていたんだろうけれど、診断や治療を受けずに、)

原因不明で、突然亡くなる、おじいちゃんやおばあちゃんが何人もいた。

 

世界中の開発途上国で、

原因も分からず亡くなっている人は一体どのくらいいるんだろうと考えてしまう。

 

 

ボクも、はじめはただの風邪だって診断されたように、

症状もインフルエンザと似ているデング熱は、無症候のことも多いらしく、

たくさんの人が間違った診断を受けてるみたい。

(WHOの統計だと、デング熱の患者数は、年間で推定3億9000万人いるらしく、そのうち、症状があるのは9600万人らしい。)

www.forth.go.jp

 

このウイルスからかかる病気を防ぐ方法はシンプルで、

 

『蚊に刺されないこと』

 

一見、簡単に聞こえるけど、これって簡単じゃない。

 

どれだけ小まめに虫除けスプレーしても、

寝るときに蚊帳をしても、

家の周りの水場に注意して、蚊の幼虫が育つのを防いでも、

 

やっぱり刺される。

(ボクが特別蚊を引きつける体質なのもあるかもだけど。)

 

蚊に刺される可能性を0にすることって、できないよね。

 

 

いくら普段は健康で、めったに病気にかからない人でも、

ウイルスへの感染は、防ぎようがないし、

 

治療薬がない中、(状況によっては病院にも行けずに)、

病気と懸命に闘っても勝てない人が一体何人いるんだろう。

 

 

普段から、もちろん分かってるつもりではあるんだけど、

病気になって初めて、健康でいることの本当の凄さが分かる。

 

「いつもいつでも健康でいる。」って、

たぶん、思っているより、ずっと難しくて、ずっと素晴らしいことだと思う。

 

 

ちなみに、その後のボクは、

デング熱だって分かってから2、3日後に、

緊急搬送の飛行機でオーストラリアシドニーの病院に運ばれ、

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シドニーの病院に1泊、

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ホテルで1週間くらい療養して、

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すっかり元気になりましたとさ。

コロナ禍のバヌアツ①

ボクは3月21日(土)まで、バヌアツにいた。

 

その時点までのバヌアツの様子を、思い出せる限りで書いてみようかなと思う。

(※2020/6/11現在で、バヌアツでのCOVID-19感染者は0人らしい。)

 

 

中国の武漢新型コロナウイルスが確認され、世界中に広まっていく中で、

オーストラリア、ニュージーランドでの感染例が増えていくにつれて、

バヌアツでのコロナウイルスに関する話題も増えていったように思う。

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(島国であるバヌアツでは、普段からお隣のオーストラリアとニュージーランドの影響が大きい。

ほとんどみんなが、ニュージーランドラグビーオールブラックスのファンだし。)

 

2月3日には、

バヌアツ政府の”新型コロナウイルス対策本部”がいくつかの対策を立てるという連絡があった。

・バヌアツに入国する人は全員、健康申告書を提出する。

(過去14日間の滞在先や健康状態など)

・バヌアツ国際空港では、コロナウイルスの症状があるかどうか検査が行われる。

・バヌアツへの入国後14日間は、体調を監視される。

 

その後、

2月9日、2月14日、2月28日とバヌアツ政府から発表があって、

初めは、中国への渡航歴のある人だけの入国禁止だった対策が、

台湾、香港、マカオ、さらに、韓国、シンガポールと、

入国禁止にする国を次々に増やしていき、対策を強くしていった。

(2月28日の発表では、過去14日間のうち日本に滞在した人の入国も禁止になった。)

 

 

このくらいの頃には、まだ、

エキペ村の友達たちの様子は普段と変わらずのんびりとしてて、

他の国では、コロナウイルスが大変らしいよ。くらいの感じだった。

 

そもそも、村人が手に入る情報は、ほとんどがFacebookからで、

コロナウイルスは、中国が作った細菌兵器だって本当?」

って真剣に聞いてくる友達がたくさんいるくらい。

 

その後、2月末に、

ボク自身がデング熱という病気にかかってしまって、

 

首都のポートビラで1週間の療養、

オーストラリアのシドニーで1週間ちょっとの治療、

バヌアツに戻ってきてから2週間の自主隔離

シドニーではコロナウイルスが流行ってきていたから。)

 

と、エキペ村に帰れなくなってしまったので、

この後の村人の様子はよく分からない。

 

ただ、その間も、

バヌアツ政府の対策は強化されていって、

バヌアツへの入国禁止になる国は、中東や欧米、アメリカ、カナダなど、どんどん増えていった。

(ボクが滞在してたオーストラリアでも感染者が増えていて、

ちょうど俳優のトムハンクスが感染したことが話題になってた。)

 

ちなみに、3月13日にシドニーからバヌアツに戻ってきた時の空港の様子がこれ。

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飛行機内で長い間待機した後、並んだ列で体温を測り、担当の人と問診する。

 

ボクがシドニーからバヌアツに戻ってからも、

目まぐるしく状況が変わっていって、

オーストラリアやニュージーランド政府が、

外国人の入国禁止、

トランジットも受け入れないと発表したり、

バヌアツの国境閉鎖発表が出たりして、

ボクらJICA隊員も日本に避難できなくなる可能性が出てきて、

状況は、ますます慌ただしくなっていく。

 

この頃、バヌアツで初めて、

新型コロナウイルスへの感染が疑われる人が出た。

(バヌアツ国内では検査できないから、検体をオーストラリアに送って、

結果が返ってくるまでにはさらに数日が必要らしい。)

 

その後、この人の結果は陰性で、感染はしてないことが分かったんだけれど、

新型コロナウイルスへの不安や恐怖は、

閉ざされた小さな島国ということもあるのか、あっという間に広がったみたい。

 

世界中にいる同期の中には、

アジア人だからという理由で現地の人に攻撃された人もいると聞いていたけど、

バヌアツではないかなと思っていたから、

ボク自身も首都ポートビラで心無い言葉を受けて、ちょっとビックリした。

 

 

3月21日には、ボクらJICA隊員は、バヌアツを出国したんだけれど、

その後、3月26日には、バヌアツで非常事態宣言が出されたらしい。

・5人以上が集まる社会的集会の禁止

・夜7時30分以降の全ての経済活動の制限

・夜9時以降の公共交通機関の営業禁止

などなど。

 

さらに、3月31日には、

夜9時以降の外出禁止まで。

 

感染者0人の中。

 

 

各国からの入国制限から、段階的な対策強化、

外出制限を含む非常事態宣言まで、

 

どうしてこんなに素早くて強い対応ができるんだろうと考えると、

 

・政府機関がコンパクトで素早くて柔軟な対応がしやすかったり、

・同じ島国であるオーストラリアやニュージーランドの対応を参考にしやすかったり、

・普段からWHOの支援を受けているから、こういう緊急事態にも正しい支援を受け入れやすかったり、

などなど、

いろんな要因があるんだろうけれど、

 

食べ物や飲み物をシェアすることが当たり前で、

握手する文化を大事にしていて、

長時間のおしゃべりが大好きなバヌアツの人たちが、

 

今回のこのウイルスから守られていることに心からホッとしてる。

(今の時点では。)

出会いと別れの季節

日本の卒業式と入学式のシーズンは、

3月と4月。

 

桜の季節になると、

ちょこっと切なくなったり、ちょっぴりワクワクしたりする。

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(日本に帰ってきてからすぐに咲いた家の周りの桜)

 

 

バヌアツの学校の1年間は、2月に始まって11月に終わる。

3学期制なので、こんな感じ。

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 入学は2月、卒業は11月。

 

この時期は、バヌアツの夏で、

場所によっては日陰にいても汗がダラダラな季節。

(地球の南半球だから、日本とは季節が反対。)

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11月の学年末のバヌアツの学校は、

学年末テストや

卒業テスト、

成績付けや

卒業式の準備

などでバタバタしながらも、

 

近づいてくる長い夏休みに向けて、

早くものんびりモードがスタートする。

(普段からのんびりモードなんだけど、

長期休み前や休み後は、スーパーのんびりモードになる。

どのくらいのんびりかっていうと、

夏休み前の3週間くらいはほぼ授業をしない。)

 

 

卒業式は、学校の1年間の中でも最大のイベント。

 

2週間くらい前から、

どのクラスでもダンスをしているのをよく見かけるようになる。

卒業式で披露するダンスの練習。

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段々と1年間の終わりが近づくにつれて、

学校全体の雰囲気が変わってくるのは、どの国でも一緒なんだな〜と思って、

どんな卒業式になるのかなとワクワクしてた。

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会場はどこで、どんなプログラムで、どんな雰囲気なんだろう。

 

ところが、全然準備が始まらない。

卒業式の1週間前なんて、

夏休みモードになっていて、先生も子どもも来たり来なかったり、来なかったり来なかったり。

 

卒業式前日になって、

ようやく会場の準備開始。

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プログラム印刷。

成績表の印刷。

プレゼントを包んだり、

・・・

などなど、

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深夜まで先生と一緒に準備した。

 

ところが、当日の朝、起きると

外は雨。

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早く来た大人たちが会場を屋根のある場所へ移動。

少しずつお父さんお母さんたち、村の大人たちも大勢集まってきて、

みんなで急ピッチ…ではなく、のんびり準備。

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予定時間を大幅に過ぎながらも、無事に卒業式開始。

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村の学校の卒業式は、村人みんなが集まって、村人みんなで祝う感じ。

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卒業生が入場し、

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校長先生や教育委員会の先生、村のチーフ(酋長)などの話があって、

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卒業証書の授与。

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各教科の成績が良い子へのプレゼント。

村のお母さんたちが作ってくれたご飯をみんなで食べて、

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(大イベントだから当然カバも飲んで。)

卒業生や在校生がダンスを披露したり、

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DJ担当の先生がノリノリの曲を流し始めたり、

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午後は、修了式。

在校生の成績が良かった子へのプレゼント。

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1日がかりで、村人全員で、

1年の終わりのイベントを祝い、楽しむ。

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とにかく、みんなで楽しんでる感じ。

こういう、地域力というか、コミュニティの繋がりみたいなものが、やっぱりすごくステキ。

 

そして、やっぱり、1年間の締めくくりにある

「卒業式」って行事が好きだな〜と思った。

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(別の日に行った幼稚園生の卒園式)

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(昨年度、卒業した8年生たち)

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(1年の終わりだから、先生たちで記念撮影)

 

 

日本では、今、9月入学が議論されてる。

 

・海外の学校との連携(主に欧米大学との留学協力など)や、

・休校期間の遅れをリセットすることなどのメリットと、

 

・来年4月に入学するはずの子たちが幼稚園保育園で9月まで待機しなければいけないことや、

・今一緒の学年の友達と学年を分ける必要があったり、

・企業では、来年度、夏まで新入社員のいない空白期間、

・学校の年間計画、授業計画を大幅に見直したりなどの

コロナウイルスによって混乱してる今の教育現場にとってのデメリット。

 

どうなるんでしょうか。

 

今の子どもたち、

それから、これからの子どもたちにとって良い方向に向かいたいなと思う。

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Hello, world.

このブログを、バヌアツの人たちを始め、海外旅行や海外研修などで出会った世界中の友達に届けたいので英語バージョンを作ります。

今、翻訳や通訳を学んでいる大学生の妹が、日本語から英語に翻訳してくれた記事を、随時更新していく予定です。

 

世界中の友達だけでなく、英語の勉強をしたい日本の皆さんにも、ボクのバヌアツでの経験を通して、異文化体験をする機会にしていただけると嬉しいです。

よろしければ、しばらくの間お付き合いください。

 

bokutaro.hatenablog.jp

久しぶりの日本

日本に帰国して、2ヶ月弱が経ちました。

www.asahi.com

www.jica.go.jp

 

 

3月末、

突然の帰国決定だったこともあったし、

ちょうどその頃、

デング熱という病気にかかってて隔離期間中ということもあったから、

 

バヌアツ、エキペ村の子どもたちや

同僚の先生たち、

村の友達たちとも

結局、会えないまま日本に帰ってきてしまった。

 

帰国してからの2ヶ月弱、

3月から4月、

そして5月。

 

常夏の国バヌアツにいたからか、

冬の名残と春の始まり、それから初夏へと、

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次々に変わっていく日本の季節をいつも以上にキレイに感じた。

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あと、日本の春が思ってたより寒く感じて、季節外れの霜焼けにもなった。

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JICAの緊急一時帰国が決まった時には、

アメリカやイタリアの様子を断片的にインターネットで見ているだけで、

まだコロナウイルスの脅威をあまり実感してなかった。

(もちろん、エキペ村の人たちにとっても遠い他国の出来事のような感じ。)

 

帰国してからこれまで、

世界中で刻一刻と状況が変わっていき、

日々、ウイルスについての情報が増え、

段々と、ボクらの闘い方が分かってくるにつれて、

 

JICAの隊員としてもう一度バヌアツへ行ける可能性は、どんどん低くなってく。

 

村の人たちと

「必ず帰ってくるからね!」

と約束してしまったことが胸をチクリとする。

 

 

帰国して、会いたい人は山ほどいるんだけれど、

自由には会えない現状。

今までとは違う生活。

 

今は日本は一旦収束に向かっているけど、いつ次の波がくるか分からない恐怖。

実際に目にすることが少ないから、実感しづらいんだけど、

毎日毎日、頑張ってくれている人たちの存在。

ボクらの社会を必死に守ってくれている人たちへの感謝。

 

 

なんだか、今、

みんなで歴史の節目に立っているような気がしながら、

日本やバヌアツ、世界中の国が、

1日でも早く、ホッと落ち着けるようになることを祈ってる。

 

目に見えないウイルスを正しく怖がりながら、

今は、できることをコツコツやっていこうと思う。

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お疲れ様。

海外で働いていても、

日本人と会った時には、

つい、「お疲れ様です。」と言ってしまう。


学生の頃は、そんなに言ってなかった気がするけど

バイトをしたり、社会人になってからは

ものすごくよく使ってる。


たぶん「こんにちは」よりも多く使ってる。

(海外で暮らしてると、HelloやHiを言う回数がものすごく多いんだけど。)

 


何気なく使ってるけど、

「お疲れ様」には、

ものすごくたくさんの意味が含まれてる。


こんにちはみたいな感じの挨拶として

気軽に「お疲れ様。」

仕事が終わった時の別れの挨拶として

労いの「お疲れ様。」

試合とかテストとか仕事とか、

ものすごく頑張った相手に対して

心から「お疲れ様。」

 

「こんにちは。」って意味だけだったり、
「よくやったね!」の意味があったり、

「ありがとう。」の意味が込められたり、

「しんどかったよな〜。」の意味が含まれてたりする。

 

相手を思いやる言葉だと思う。

 


バヌアツ人相手にこれらを伝えるためには、

何て言えばいいんだろう。

普段ボクらが「お疲れ様」を言う場面を思い返すと…


「Alo!(Hello!)こんにちは。」

「Yu oraet?(Are you all right?)調子はどう?」

「Good job!よくやったね!」

「Tankyu.(Thank you.ありがとう。)」

「Afta?(What's up?)調子はどう?何してるの?」

「Yu mus spel.(You've got to be tired.)きっと疲れてるよね。」

「Ale tata.(See you.)またね。」


という感じかな。


でも、どれも

ボクらの使う「お疲れ様。」のニュアンスとは違う。


「お疲れ様」って言葉、すごい。

 

 

斉藤和義が歌ってる。


そのひとの疲れに"お"を付けて、"様"まで付けて、お疲れ様ですと声かけるボクらの日々

おつかれさまの国/斉藤和義


みなさん、今日も1日

本当にお疲れ様です。

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自分の手ですること。

水がなくて学校が開けない2週間、

エキペ村の人たちは、

ただぼんやりしてたわけでも、

水を求めて雨を待ってただけでもない。


このままだと、

水が止まるたびに休校にしなきゃいけないから、

(実際、去年そうだった。)

何とかしようとみんなで話し合って動き出した。


川から引いてくる水道は、天候に影響されちゃう。

エキペ村は海が近いし、地面を掘ればすぐ水が出てくるんじゃないか。

地下から水を引き上げる仕組み、前に他の村で見たぞ。

じゃあ、場所は広いココナッツ畑がいいな。

よし!始めよう!


大体、こんな感じの話し合い。

 


次の日には、作業が始まった。

集まって働くのは、村のボーイズたち。

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ボクと同い年くらいの友達たちからパパたちまで、

大勢の男手が集まって、毎日作業。

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計画的にコツコツ作業するのが苦手なバヌアツ人は、

動き始めるとものすごく速くてパワフル。

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1週間も経たないうちに、こんな感じ。

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もう少しで完成。

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ボクらは普段、お金でサービスを買っている。


マイホームが欲しい時は設計事務所に相談、建てるのは大工さん、

水道が壊れたら、業者に電話をかけて、

食べ物はスーパーや農協に買いに出かけて、

家具や生活道具が壊れたら、買い替える。


これらは、一生懸命技術を身に付けて、

サービスを提供してくれる人たちがいるから成り立ってる。

技術を持った人たちがいるからこそ、

ボクらはサービスを受けることができる。

 

 

バヌアツ人は、多くを自分の手でする。

自分たちで家を建てる。

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自分たちで牛を育て、

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動物を食べる時には自分たちでさばく。

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自分たちで魚を獲ってくるし、野菜も育てる。

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農作業道具が壊れたら、自分たちで直す。

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自分の手ですると、

自分でできることが増える。

能力が身に付く。

 
自分でできることが増えると、

誰かにしてあげられることが増える。

それをサービスとして提供することもできるかも。

 

エキペ村の人たちと暮らしてると、

ボクは、ちょっと頑張れば自分でできるはずなのに、

自分の手でしてないことが多くあるような気がしてくる。

 

 

ちなみに、

びっくりしたけど、彼らは学校の校舎まで作れる。

これが建設会社が作った校舎。

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こっちが村人が作った校舎。

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(この夏休みには、痛んだ校舎の修理をしてた村のパパたち。)

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バヌアツ人の生きる力の力強さに驚かされる毎日。

学校が始まった!!

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2ヶ月の長い夏休みが終わって、

エキペ小では、昨日から新しい1年が始まった。

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久しぶりの登校で、しかも新しい学年のスタートだけど、

いつもと変わらない、元気で明るくてテンション高い子どもたち。

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本当は、

夏休みの終わりは、2月2日。

本当なら、

2月3日から学校スタートして、

今は第3週目になってるはず。


いくらのんびり屋さんのバヌアツ人でも、

ゆっくりしたいからここまで休んでたわけじゃなくて、

原因は水不足。


今、エファテ島北部の小さな村は、

深刻な水不足に悩まされてる。


上流の川から自分たちで水を引いてきてるだけだから、

不安定なのはいつもなんだけど、

こんなに長いこと水が無くなっちゃうことは珍しい。

 


学校に水が無くて何が困るかと言うと、

トイレ。


ボットン式のトイレじゃなくて、

水洗式のトイレにしちゃってるもんだから、

(水洗って言ってももちろん、自分で水くんで流すだけ。)

水が無いと大変なことになる。


どうしょうもないことなんだけど、

2週間も子どもたちの学びの機会がなくなっちゃったのはもったいないなと思う。

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本の学校では、

学年初めの1ヶ月間をとても大事にする。

そのための、

初めの1週間をすごく大切にする。

初めの3日間が勝負ってよく言われる。

だからこそ、

出会いの初日を丁寧に過ごす。


日本の教師であるボクなんかは、こういう時、

どうやって2週間分の遅れを取り戻すか!

って、つい肩に力が入っちゃう。


でも、さすがのんびり屋さんのバヌアツ人。

先生たちも子どもたちも

もちろん、全く焦ってない。

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ゆるやかで伸び伸びとしてて、

(むしろ夏休み明けだから、いつもよりゆったり!)

自由で、

決まりとか「〜しなきゃ」に、

あまり縛られない自然体な感じ、

すごくバヌアツ。

 


さて、

今年度は、どんな1年になるかな。

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先生が足りない問題

ある先生たちのワークショップ(勉強会)で、

1クラスの人数の話になった。

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バヌアツの学校の1クラスは、

10人~40人と地域や学校によって様々。

 

40人くらいを目安にクラスを分ける。

(その先生もちゃんとした人数は分かってなかった。)

 

この1クラスの人数はかなり重要で、

それによって子どもたちの教室での過ごし方や学び方に大きな違いが出る。

 

例えば、

全学年単級の、

去年のエキペ小学校の1年生は、28人。

ベテランで授業も上手な先生が担任をしていたけれど、

小学校に来る前に、幼稚園に通っている子もいれば、

そうじゃない子も多くいるから、学力も能力も差がすごくて、

 

長い時間は集中が続かなくて、先生はまとめるのにかなり苦労していた。

(特にバヌアツの小学校の1コマは90分もあるから。)

 

それで、

「クラスを分けて、もうちょっと1クラスの人数減らせたら、

もっと子どもたちが学習に集中できるよね。」

 

と意気投合し、

 

「だけど、先生の人数足りないんだよな~。」

 

という問題にぶつかった。

 

バヌアツも先生が足りてないらしい。

 

それが、

・教育予算の問題なのか。

・教員養成課程の課題なのか。

・教員という職業の価値が課題なのか。

・教育省が上手く機能しているかどうかという行政課題なのか。

 

 何が1番の原因なのかはっきりとしたことは分からないけれど、

きっといくつかの要因が影響してるんだろうと思う。

 

 

日本の教育界も、先生が足りてない。

headlines.yahoo.co.jp

 

教員採用試験の倍率低下もかなり騒がれている。

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出典:文部科学省「令和元年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について」

 


個人的には、妹尾さんのこの意見にすごく同感で、

news.yahoo.co.jp

 

教員養成課程とか研修とか、

採用される前もされた後も、先生がいかに学ぶか

先生がいかに先生になっていくか、

が大切なんじゃないかなと思ってる。

 

けれどまずは、人手不足な中、

学校に代わりの講師を配置してもらって、

海外で2年近くの研修をさせてもらってる

自分こそ学びを深めて帰らなきゃいけないなと、

 

バヌアツの先生と話していて、改めて思った。

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(ワークショップ終了記念撮影)

ファンドレイジングという相互補助の仕組み

バヌアツでは、

ファンドレイジングが盛んに行われてる。

 

英語の「Fundraising」は、

「資金調達」という意味で、

主に「NPOが活動する上で必要となる資金を集めること」として使うらしい。

jfra.jp

 

バヌアツのファンドレイジングは、

村のコミュニティのお金を集めるため、

学校の運営資金を集めるため、

教会の建て替えのためのお金を集めるため、

うちの子の通学費を払うため、

など、様々な規模で行われている。

 

実際には、

お父さんたちが魚を獲ってきたり、

お母さんたちが伝統料理を作ってきたりして、

食べ物を売り、お金を集める、

バザーみたいな感じ。

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一食の値段は、

100バツとか200バツとかそんなに高くない。

けれど、村人みんなから集めたらけっこうな値段になる。

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面白いなと感じたのは、

各家庭ごと順番に、定期的にファンドレイジングを行ってるところ。

 

村人が集まるナカマルという集会場とか、

道路沿いにあるロードマーケットで、

定期的に「○○さんのためのファンドレイジング」

が開催されてる。

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これは、村の一軒ごと順番に行っているらしい。

 

エキペ村には、

片親で4人の子どもを育ててるお母さんもいれば、

お父さんとお兄ちゃん2人でニュージーランドに出稼ぎに出てるお金持ち家庭もある。

首都ほどじゃないけど、

お金がある家とそうじゃない家の差は、

確かにある。

 

だから、ファンドレイジングを行うらしい。

各家庭から少しずつお金を集めて、集まったお金は全てその家庭のものになる。

そうやって、生活が苦しい家庭を減らす。

 

村人にとって、ファンドレイジングとは、

「お互いの生活を助け合う」ためのもの。

 

村人は、自分も助けてもらってるし、

一人一人が払うお金はそんなに高くないから積極的に参加する。

 

一人一人がちょっとの負担をすることで、

誰か1人が苦しい思いをしないようにしてる。

 

 

暮らしを支え合ってることが、

 

コミュニティの一員という意識を強くして、

各家庭の繋がりも濃くすることに繋がってるのかもしれない。

 

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バヌアツ人のお金の使い方は、

お世辞にも上手とは言えない。

 

出稼ぎから帰ってきたお父さんが、

子どもの養育費のことを考えないで、

タバコやお酒にどんどんお金を使って、

お母さんが苦労してる家庭もある。

 

けれど、

このファンドレイジングの仕組みは、すごいなと思う。

 

今日は、ボクの家族の弟2人のファンドレイジング。

彼らの通学費がしっかり集まりますように。

ふるさと

この国の人たちは、

「ふるさと」をとても大切に思ってる。

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みんな、

自分の国のことが大好き。

 

「バヌアツはいいだろ!

のんびりしてるし、フルーツたくさんだし!」

って、

この半年間、どれだけセールされたことか。

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初対面の人と会うと、

1番初めの会話では、

「ボランティアで来てるの⁉︎

どう?バヌアツのこと好き?」

って聞かれることが多い。

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時々、

「日本とバヌアツどっちの方が好き?」

なんて聞いてきたりもする。

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その無邪気さというか、

心からバヌアツを良いと思ってる感じが伝わってきて

何だか素敵だな~と思う。

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ボクの回答は、

「バヌアツ大好きだよ。日本の方がもっと好きだけどね。」

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バヌアツには、100以上の地方言語がある。

つまり、100以上の異なる文化、故郷がある。

(この100以上の地方言語は、方言どころじゃなくて、

ほぼ外国語。)

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現在、使われてる公用語のビスラマ語は、

イギリスとフランスが共同統治してる時代に作られた言葉。

元々、100以上の言葉があったところに、

英語を話す人とフランス語を話す人が現れて、

意思疎通の必要があったから、

英語とフランス語の良いとこ取りをして作ったらしい。

 

バヌアツでは、ビスラマ語が1番広く通じる言葉だし、

言語能力豊かなバヌアツ人は平然とビスラマ語を使いこなしてる。

 

けれど、

ビスラマ語は、彼らの「ふるさと」の言葉じゃない。

 

エキペ村の人たちの故郷は「トガリキ島」。

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彼らのふるさとの言葉は、「ナマクラ語」。

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エキペ村の人たちは、村では、

ほぼ90%このナマクラ語を使って会話してる。

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やっとこさ、ビスラマ語に慣れてきて、

会話に不便さを感じなくなってきたボクは、

エキペ村で暮らして、

彼らのコミュニティに入れば入るほど、

飛び交う言葉はナマクラだけになるから、

会話に入っていくのが難しくなる。

 

ナマクラ語「ケノ ラコ ベトンビヘキヨ ナマクラ。」

ビスラマ語「Mi stap lanem Namakula.」

英語「I'm learning Namakula.」

日本語「ボクはナマクラ語を勉強中です。」

 

バヌアツのことが大好きな彼らだけど、

それ以上に、自分のふるさとの島のことを大切に思ってる。

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学習指導要領に出てくる

「郷土愛」

愛国心

という言葉。

 

ボクはこの言葉は、

 

「なんだかそこに帰りたくなる気持ち。」

「ふとした時に、ああ懐かしいなと感じる感性。」

 

を持っていて、

 

「自分のふるさとが好きだと言えること。」

 

だと思う。

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子どもたちが、自分のふるさとのことを好きだと思える。

 

地域の大人がふるさとの子どもたちを見守る。

 

そんな地域、素敵だなと思う。

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村の歩き方

 

上を向いて歩こう

 

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時々、ココナッツが落っこちてくるから。

当たったら怪我じゃ済まないこともあるから。

 

 

 

足元にも目を向けながら歩こう。

 

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地面はボコボコだから。

ビーサンで石蹴っ飛ばしたら爪が割れちゃうから。

 

 

 

時には、木陰に腰を下ろしてみるのもいいかも。

 

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周りには、フルーツがいっぱいあるから。

 

 

 

のんびりのんびり。

おしゃべりしながら歩く、村の道。

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ちょっと政治の話

バヌアツは、独立してから39年の比較的若い国。

 

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独立前、イギリスとフランスが共同統治していた影響で、

英系と仏系の政党が争っていて、なかなか政治が安定してこなかったみたい。

コロコロと首相が代わってきた。

 

簡単にどんな政治か見てみると、

 

共和制

(多く国がこの共和制。国王や天皇がいなくて、国民がリーダーを決める国。日本は、天皇がいる国だから、君主制。)

 

議会一院制

(日本の国会が衆議院参議院のように2つに分かれているのに対して、バヌアツでは、1つの議院で法律を決めてる。)

 

ちなみに、議員数を日本と比べると、

バヌアツ52人(任期4年)

日本衆議院480人(任期4年)参議院242人(任期6年)

 

国家元首(国を代表するリーダー)に大統領がいて、

政府には、首相と1人の大臣(外務・国際協力・貿易大臣)がいる。

 

 

なんで政治の話をしているかというと、

バヌアツで、3月18日に国会選挙が行われるから。

ちょうど今日1月22日が、今の議会の最終日になるみたい。

pic.or.jp

 

この影響で、

こないだ、エキペ村で選挙イベントが行われた。

 

どうやら、

エキペ村の一族の中から国会議員に立候補する人がいるらしい。

(住んでるのは違う村みたいだけど。)

 

日本の選挙運動には細かな取り決めがたくさんあって、

(例えば、家を訪問したり、飲食物を提供すること等は禁止されてる。)

できることは、「ポスター」「選挙カーで演説」「インターネット選挙運動」。

 

バヌアツには、こういう取り決めがないのかもしれない。

と思うほど、この選挙イベントは、

ものすごい規模だった。

(友達は、「50万バツ使ってるんだよ!1000人集まるんだぜ!」と言ってた。本当かは分からないけど。)

 

まず、前日からエキペの村人全員で、

掃除をしたり、飾り付けをしたり、

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竹を切ってきて小屋を建てたり、

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牛を2頭さばいたり、ご飯を作ったりと準備。

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当日は、

オープニングマーチ(参加者全員で会場まで行進。)

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それぞれの村の旗を手に持って。

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先頭には、カスタムダンス(伝統的なダンス)の集団。 

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来賓の紹介とスピーチをして、

(おしゃべり好きなバヌアツ人は、スピーチの時間もびっくりするくらい長い。)

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ケーキカットとカバで乾杯したら、みんなでランチ。

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そこから夜12時まで、

ひたすらカバを飲み、ビールやワインを飲み、音楽を聞き、踊りまくり、

夜中になってミュージシャンが帰っても、

スピーカーで音楽を流し続け、踊り続け、

明け方までワインを飲んでる人もいる。

いつものバヌアツのイベントの感じ。

 

本当に盛大な選挙運動だった。

 

さて、

この立候補者は、トガリキ島出身のボクらの村の親族らしい。

 

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ボクの暮らすエキペ村(☆印)を始め、隣のエパオ村やエプレ村など、

この島の東部の村の人たち(赤丸の中の村々)は、

元々は、トガリキ島(右上の島)から移り住んできた人たち。

 

つまり、

この東部の村々の人たちはみんな、出身が同じ。

控えめに言っても、みんなどこかしらで血の繋がりがある。

大げさに言うと、もうみんな家族。

 

話を聞いていてビックリしたんだけれど、

 

2016年に行われた前回の選挙の結果、

自分たち東部の村にとっては、

あまり良い影響がなかったと思ったトガリキ島出身の人々。

 

それなら!と、 

自分たちの親族の中から立候補者を選び、

ふるさとが同じ村の人たちで協力し合って、

議員52席の内の1つを勝ち取って、

自分たちの生活にもっと良い影響が出るようにしようと考えたらしい。

 

エキペ村では、

パパ達だけじゃなくて、若者も選挙の話をよくしているし、

何より、

 

国の政治を変えるために、

自分たちの仲間から選挙に立候補する人を出す。

 

こう考えられる村の人たちがすごい。

この国では、こんな田舎の村でも、

「自分が政治に参加している意識」がすごい高い。

 

これが、

人口が少なくてコンパクトな国だからなのか、

コミュニティー間の繋がりが強いからなのか、

独立してから間もない国だからなのか、分からないけれど、

 

政治に対する

「若々しい感覚とか前向きなパワー」を感じる。

 

 

18歳から投票することができるようになった日本。

投票率が一番低いのは、ボクら20代らしい。

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出典:総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について

 

「みんなで話し合って国のルールを決める」のが政治。

国民全員で話し合うわけにいかないから、

代表者に頼んで、ボクらの代わりに話し合いをしてもらう。

「どの政治家に力を分け与えるか」を選ぶのが選挙。

 

選挙は、誰かを選ぶだけじゃなくて、誰かを選ばないことでもある。

 

当たり前だけど、

政治家は、投票率の高い層に支持してもらえるように活動する。

 

ボクら若者、

もっと政治について考えなくちゃね。

ギャル男でもわかる政治の話

ギャル男でもわかる政治の話

 

バヌアツのお金

バヌアツのお金の単位は、「Vatu(バツ)」。

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そのお金の価値はというと、

 

ほぼ、

バツ=1円

だから、

日本人のボクらにとっては分かりやすい。

 

(正確には、2020年1月19日23時24分の時点で、

バツ=0.94円。)

 

例えば、

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この1.5Lの水のペットボトルが100バツ

100円くらいか~とすぐに考えられるから、すごく楽ちん。

 

島国のバヌアツは、

オーストラリアやニュージーランドからの輸入に頼るところが大きいから、

物の値段はちょっと高め。

 

ちなみに、

バツには、硬貨が5種類あって、

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バツ

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10バツ

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20バツ

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50バツ

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100バツ

 

紙幣が、5種類ある。

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200バツ

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500バツ

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1000バツ

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2000バツ

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5000バツ

 

 

このお札は、プラスチックでできている。

 

世界でも有数の品質が良い紙幣と言われる日本のお札を使ってると、

このプラスチック紙幣は、おもちゃのお金のように感じてしまうけれど、

良い点も多い。

 

・プラスチックの偽造は難しい。

・作りやすく、リサイクルがしやすい。

・「水」に強い。

・寿命が長い。

 

エコなお札らしくて、現在多くの国が導入してるみたい。

(ちなみに、初めに使用を始めたのは1988年のオーストラリア。

最近だと、2016年にイギリスも導入し始めたらしい。)

 

 

バヌアツのエキペ村だと、

ちゃんとしたお店もスーパーもないから、

1000バツ以上のお札は滅多に使わない。

むしろ、50バツと100バツの硬貨を使うことがほとんど。

 

だから、首都ポートビラに行くたびに、スーパーではお札で買い物をして、

硬貨のお釣りを貯めておく。

 

こないだ首都のスーパーに行った時にも、

硬貨が欲しくて、店員さんを大変にしてしまって申し訳ないな~と思いながらも、

5000円札を出した。

 

そしたら、こんな感じでお釣りが返ってきた。

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え。

硬貨がほとんど全部、20バツ

 

740バツ分が全部、20バツだったから、

つまり、37枚の20バツをもらったことになる。

 

他のお釣りがないと気付いた時の店員さんは、

特に困ったわ~という顔をするわけでもなく、

他のレジに硬貨をもらいに行くわけでもなく、

一生懸命、37枚の20バツを数えてた。

 

バヌアツらしいゆる~い気持ちになった昼下がり。

幸せな日本の味

バヌアツの首都ポートビラには、

いくつかの日本食料理屋がある。

 

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エキペの村人の家で1日三食、

バヌアツ流村ごはんを食べてると、

時々食べる日本食が、泣くほど美味しく感じる。

 

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ちなみに毎日食べてる

オーソドックスなエキペ村飯はこんな感じ。

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(ご飯の上にキャベツとツナのスープをかけたものが多い。

正直に言うと、味があんまりしなくて、油の香りがかなり強い。)

 

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もちろん、毎食美味しくいただいてる。

 

けれどけれど、

やっぱり生まれ育った日本のご飯の味が恋しくなって、

時々、美味しいものを食べに首都へ行く。

 

レストランもあるんだけれど、

ボクがいつも通っているのは、お弁当屋さん。

 

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コンテナの店舗でこじんまりと営業してる。

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たくさんのメニューがあって

どれもちゃんと日本の味付けで本当に美味しい。

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最近は、ここのお弁当を食べるために首都に行ってるような感じ。

 

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7年くらいお店をやってるらしく、

バヌアツのこととか、店主さんの思いとか、

お弁当ができるまでのおしゃべりも楽しみの1つ。

 

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当たり前だけど、

バヌアツには、JICA以外の日本人も住んでいて、

ビジネスのためだったり、ご結婚されてだったりと事情はそれぞれだけど、

そういう人たちに会って話を聞くのはおもしろい。

いろんな人生がある。

 

 

お正月には、

先輩隊員のお節料理を食べさせてもらったり、

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友達の家でお雑煮を食べたり、

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美味しいご飯で幸せ感じて、

やっぱり日本の味が1番だと思う。