イベントのご飯はビーフ
時々、
どこか遠くの方から、
ある時はけっこう近くから、
牛や豚の鳴き叫ぶ声がしてくる。
ものすごい声で、何度も何度も鳴いて、
文字通り、断末魔の叫びという感じ。
こういう時は、家族や村でイベントがある時。
村には、いたるところに牛や豚、ヤギがいる。
一応、それぞれ木にくくりつけられているけれども、
人が近づくのもおかまいなしに、とても自由に振舞っている。
村の人たちに聞くと、
この牛はあのおじいちゃんので、
あのヤギはあの子のだよ。
と、誰もが持ち主を知っている。
そんな牛や豚たち。
お祝い事や家族の誰かが亡くなった時、
お父さんが出稼ぎにしばらく海外に出かける時、
新しい事業が完成した時などなど、
イベントがある時には、
村では普段はあまり食べない牛や豚を食べる。
何度も何度も木の棒で叩いて屠殺するから(食べるために殺すこと)
悲痛な叫びが村中に聞こえる。
牛がお亡くなりになると、
家族のみんなで解体作業。
すごく慣れた感じ。
お父さんが骨から切り離す。
大きなお兄ちゃんたちが小さなカケラにさばく。
小学生も手伝う。
写真の彼は、食べやすいサイズに切り分けてる。
切り終わったら、みんなで料理。
みんなでご飯。
普段の村の食事は、鶏肉ばかりだから
時々食べるビーフはとても美味しい。
パチンコで撃ち落とした鳥を、
その場で羽をむしって、火を起こして丸焼きにすることもある。
(見た目はちょっとしんどかったけど、美味しかった。)
野生の豚がいたと言って、
銃を持ち出して、追いかけることもある。
(この日は捕まえられませんでした。)
日本で生活するよりも、
「命」を食べてることを身近に感じることが多い毎日。
バヌアツ人と一緒に、
食べる前には必ずキリスト教の「お祈り」をして、
日本人として小さな頃からずっと言ってきた「いただきます」を唱えて、
毎日、美味しく命をいただいてます。
(とても大事な大事な、ぼくの小学校の時の先生からもらった絵本。とても素敵な絵本。)