ぼくの行く道

青年海外協力隊2019年度1次隊(小学校教育)バヌアツ

カバ好きのおじいちゃん

昨日、村のおじいちゃんが1人亡くなった。

ぼくにもよく声掛けてくれて、しょっ中おしゃべりする中学生がいるんだけど、

その子のおじいちゃん。


村人みんなおじいちゃんの家に会いに行くらしいから、

ぼくも、ぼくの家族と一緒に行ってきた。


家を出た時には、みんな明るくて、

「毎日カバ飲んでたんだよ。」っておじいちゃんの話をしてた。

(カバっていうのは、お酒とは違うんだけど、飲むと酔っ払ったようになる飲み物。)


おじいちゃんの家に着くと、

まるで、

ここに来たらやっと思い切り泣けるというように、

突然、男の人も女の人もみんな大声で泣き出した。


たぶん、文字通り、本当に村人全員が来て、

おじいちゃんを囲って、大声で泣いて。

まるでみんなで悲しみや思いを共有し合ってるかのように。

ある人たちは抱き合って泣きじゃくって、

ある人はタオルを振りながら泣いて、

いつも冗談ばかり言ってる明るいおじさんも肩を震わせながら泣いてた。


少し泣き声が小さくなってきた頃には、

次の人たちがやってきて、

前からいた人はその人たちのためにちょこっと場所を空けて、

またみんなの泣き声が大きくなって。

まるで村人全員が本当の家族のように。

 


それはもう、すごい空間で、

みんなの悲しみとか思いとかが、あの場にいるだけでバンバン伝わってきた。


あの光景は、ちょっと生涯忘れられない気がする。

 


今日は、村全体で喪に服すから、学校はお休み。

お墓に埋葬するために、

隣村とか首都のポートビラからも人が来て、さらにおじいちゃんを囲う人は増えた。

 

泣きながらみんなで盛大に歌を歌って。

ざっと見渡しただけでも200人以上の人がおじいちゃんを囲みながら、お墓まで歩いて。

全員が、一握りずつ砂をかぶせて。

 

子どもが生まれる場面にはまだ出会ってないけど、

きっとこの村では、

村の仲間に囲まれた中で生まれて、

村の仲間に見守られながら死んでいくんだろうと思う。


こんなにたくさんの仲間に囲まれて惜しまれて見送られて、

おじいちゃん、幸せなんじゃないかな。と思う。

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