ぼくの行く道

青年海外協力隊2019年度1次隊(小学校教育)バヌアツ

「ブラブラしてるだけ。」

エキペ村では、どこで誰に会っても声をかけてもらえる。

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この、フレンドリーさや気さくさは、

村の人たちが自分たちで誇ってるものでもあって、

 

ボクの友達たちも

「怖がる必要はないよ、村のボーイズみんながお前の友達だから。」

「みんなフレンドリーだから、いつでもご飯食べに来なよ。」

「エキペ村は、みんなフレンドリーでいいだろう。」

とよく言ってくれる。

 

道ばたで会うと、まずは必ず、

エキペ村の言葉で、

 

マンゴルセ(おはよう)

レアット(良い昼さがりだね。←グッドランチと同じ意味らしいけど、日本語訳が難しい。)

ドラビ(こんにちは)

エンボン(こんばんは)

 

と時間の挨拶をする。

 

そのあと、ビスラマ語の定番のセリフ。

 

「アフター?」

 

英語を勉強している中学生は分かると思うけれど、

「After」という単語は、

「あとに、~したあとで、~してから」などの意味がある。

 

バヌアツの人たちは、この単語を、挨拶がわりに

「それから?」

「何してるの?」

「どこ行くの?」

とか、ものすごい広い意味の質問で使う。

 

「首都に行くところだよ。」

「〇〇に会いに行くんだよ。」

と、この後の予定を答えれば正解だけれど、

 

村人からの返事で圧倒的に多いのは、

 

「ウォークバウト ノモ。」

 

ウォークバウトは、英語のWalkから転じて「散歩、歩いて行く」くらいの意味かなと思う。

ノモは、英語でいうとOnlyと同じ意味で「唯一の、~だけ」という意味。

 

そこでボクの頭の中では、

「ウォークバウトノモ。」は、

 

「いや~、ただブラブラしてるだけだよ。」

 

と変換されてる。

 

つまり、

ただブラブラしてるだけの人がものすごく多いってこと。

 

これだけでも、

日本では、ほとんど見かけない光景だと思う。

ちょっと大げさかもしれないけど、

日本人は、何をするにしても目的があるような気がするし、

散歩するにしても、

どの道を歩こうかっていう道順とか、

何時頃に帰ろうかっていう時間感覚とか、

見通しを持ってる。

 

バヌアツ人は本当に、見通しを持たない。

(これは、良いところでもあるし、課題にもなる国民性だと思うけど。学校現場では、けっこう大変。)

 

行き先も特に決めず、

いつ帰ってくるかも特に考えず、

のんびりのんびり、

ブラブラと歩いて行く。

 

村の友達たちと一緒に歩き出したら、

どこに向かうのか、

いつ帰るのか、

全く分からないから、今のボクはまだとても毎日は参加できない。

(べつに帰りたくなったら帰ればいいんだけどね。)

 

この日は、

村の教会で、みんなでご飯を食べたあと、

同い年くらいの友達2人とブラブラ散歩をした。

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村の中をブラブラしながら、

いろんな人と会話をして、

マンゴーを採りに行こうということになって、

2人の畑に行った。

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(今は、バヌアツはマンゴーの季節で、文字通り、

食べ切れないマンゴーが木の下で大量に腐るほど、たくさんたくさんある。)

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畑は、村よりも小高い森の中にあるから、

ちょっとした山道を登って。

 

登った先の開けた場所は、涼しくて

思った以上に気持ちのいい場所だった。

 

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マンゴーの木の下で座って、

のんびりおしゃべりして、

お腹がタポタポになるくらいマンゴーを食べて。

 

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結局、その日は夜に村でイベントがあって、

それが終わってから、10時くらいに家に帰った。

半日以上、何時間も一緒にブラブラしてたことになるんだけど、

 

時々、こうやって過ごすのは、

すごくいいな、と思った。

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(まだ今は「時々は」だけれど。)

 

結局、

何日分だろうかって量のマンゴーをもらった。

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毎日、マンゴー生活。