バヌアツの母なる樹
村の人がこの間、ココナッツのことを
「Mather of tree」
と呼んでいた。
バヌアツでは、ココナッツの木をとても大事にしている。
バヌアツから海外へ輸出してる物の中でもコプラの占める割合は大きいから、
もちろん、経済的に大切な資源でもあるんだけれど。
(コプラとは、ココヤシの果実(ココナッツ)の胚乳(中身)を乾燥させた物。とても質の良い脂肪分が多く含まれてる。)
でもでも、
それ以前に、ココナッツは、バヌアツの人たちにとって生活に欠かせない物みたい。
エキペ村で生活していると、生活のあらゆるシーンに登場する。
村でココナッツを目にしない日はない。
村中いたるところに生い茂るココナッツの木
そこら中に転がるココナッツの中身は、
暑さに対抗するポカリスエットみたいな飲み物にもなり、
ちょっとつまむ食べ物にもなる。
(畑仕事の合間、右下の人が食べてる物)
殻の内側に広がる白い層(胚乳)は、
若いココナッツの物は、
プリンのような食感のおつまみに、
乾燥している物は、削って、
絞って、
ココナッツミルクとして、郷土料理のほとんどに使う。
(ラップラップという郷土料理を蒸す前にかけるココナッツミルク。出来上がりは、下の写真)
外側の殻には、中身を守る柔らかい繊維があって、これがまた便利。
ちぎって、束ねて、いろいろな物を洗うたわしになったり、
火を付けるタネにしたり、(ものすごく良く火が付く。)
ココナッツミルクを絞る袋にしたり。
葉っぱは、
日本でいう茅葺き屋根のように、
束ねて、組み上げて、屋根になる。
マットにもなる。
木の幹は、
ベンチになったり、
家の建築材料になったりする。
本当に無駄がなく、葉っぱから幹まで全て生活に活かされてるココナッツ。
バヌアツの生活とは切っても切り離せないココナッツ。
そういえば、2年前にモロッコに行った時に、
モロッコの人は、砂漠のことを、
「Mama of Africa」
って言っていたな。
自然ってすごい。